特徴的な治療法

顕微鏡下精巣内精子採取術(Microdissection testicular sperm extraction:MD-TESE)につきまして

精巣内精子採取術(TESE)の適応となる非閉塞性無精子症、精路再建不可能な閉塞性無精子症(先天性両側精管欠損症や精路閉塞部位が長いなど)、高度乏精子症、射精障害などのうち、特に非閉塞性無精子症の場合がMD-TESEの適応になります。

MD-TESEとは、非閉塞性無精子症に対して1999年 Schlegelらが発表した、手術用顕微鏡を用いた精細管組織採取方法です。麻酔時間を含めて2時間~2時間半をかけて、精巣を完全に陰嚢外へ出し、手術用顕微鏡を使用して行います。
精巣内にわずかに斑状に精子形成が行われている精細管があることがあり、同部位から精細管を採取します。精細管内に精子形成細胞が存在する場合は、精細管径が大きく、やや白色調に見えることを利用しております。

MD-TESEは、従来のTESEに比較して精子採取率を改善したとの報告が多数あり、当院でも施行している術式になります。

手術時間が長くかかる術式となるため、当院では、患者様の全身状態とご希望を踏まえて全身麻酔、腰椎麻酔、局所麻酔を選択して行うことが可能です。全身麻酔を行う際は、麻酔科専門医が行います。

顕微鏡下精巣内精子採取術 MD-TESE