特殊外来

膀胱腫瘍外来

(火曜日午後 担当医:菊地栄次)

膀胱腫瘍、上部尿路腫瘍を中心に診療しています。とくに手術後の経過観察、膀胱内注入などの補充療法を行っています。

膀胱腫瘍の診断の流れは、各種画像検査を施行した後に、入院の上、膀胱パンチ生検、経尿道的膀胱腫瘍切除術を行います。当院ではmulti-detector CT、MR urographyなどを用いて、術前の膀胱腫瘍の病期診断に役立てています。経尿道的膀胱腫瘍切除術は治療手段であると同時に、病理組織学的診断にも重要です。病理組織学検査において組織構築、異型度、深達度が判明します。組織構築から尿路上皮癌(移行上皮癌)、上皮内癌、扁平上皮癌、腺癌などに分類されます。大部分は尿路上皮癌です。異型度(grading)はG1からG3まで3段階で評価され、G3が最も細胞異型が強く、いわゆる悪性度が高い所見です。深達度は膀胱腫瘍がどこまで深く達しているのかを示しています。Ta(腫瘍が粘膜にとどまっているもの)、T1(粘膜の下の層、粘膜固有層に達しているもの)、T2(筋層に及んでいるもの)、T3(膀胱の周囲の脂肪にまで及んでいるもの)、T4(隣の臓器に腫瘍が及んでいるもの)に分けられます。これらの情報から大きく分けて表在性、浸潤性膀胱腫瘍と2つに分けることができます。

表在性膀胱腫瘍に対しては経尿道的膀胱腫瘍切除術後、上記の情報をもとに補充療法を行います。その多くはBCG、抗癌剤の膀胱内注入療法です。膀胱内注入療法は週1回6〜9週続けて行われます。表在性膀胱腫瘍の問題点として再発が比較的頻回に起こることと、病期進展(腫瘍がより深くに浸潤してしまうこと)が起こりうることの2点があります。早い段階で再発、進展を発見することはその後の治療に大きく左右します。当膀胱外来では軟性膀胱鏡を用いて定期的な膀胱内観察を行い、早期再発、進展の発見に努めています。軟性膀胱鏡は従来の硬性膀胱鏡と比べ、検査中の疼痛、検査後の血尿が少ないなど患者さんから好評をいただいております。

表在性膀胱腫瘍で再発が頻回に繰り返す症例、上皮内癌でBCGの治療に抵抗を示すもの、膀胱筋層まで癌が及んでいる浸潤性膀胱腫瘍は膀胱を摘出する膀胱全摘術が行われます。膀胱を摘出した場合は尿路変向術が必要となります。当院では新しい膀胱を腸で作り、尿道につなげ、自身で排尿を可能にする自排尿型、回腸の一部で、尿を人工肛門に導き排出させる回腸導管、一時的に尿を貯めることができるパウチを腸で作り、人工肛門を通して一定時間に尿を排出する自己導尿型の尿路変向を行っています。尿路変向術に際し、当院では皮膚・排泄・ケア認定看護師が重要な働きを担います。皮膚・排泄・ケア認定看護師とは人工肛門や排尿状態の管理、教育を専門的に行う看護師のことです。当院では5人の専門看護師がいますので、膀胱腫瘍外来受診の際に同時に診療受診可能です。

当院では膀胱温存治療(化学療法+化学放射線療法)も希望があれば行っています。

上部尿路腫瘍においては膀胱再発が約4割の患者に見られます。従って、前述しました膀胱鏡を用いた定期的な経過観察が重要となります。

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